瀬戸内国際芸術祭-『大島』(ハンセン病療養施設がある島)でアート巡りで知っておきたい6のこと

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瀬戸内国際芸術祭の会場の1つである、ハンセン病療養施設がある香川県高松市の離島、大島のアート巡りを紹介します。

香川県にある大島は、風光明媚な島ですが、ハンセン病療養施設しかありません。普段は訪れることが難しいのですが、瀬戸芸期間はアート巡りで行くことができます。

大島青松園とは

1909(明治42年)年、国の政策により、四国・中国のハンセン病患者を収容するための施設が大島につくられました。全国に13ある施設の1つです。

らい予防法は1996年に廃止されましたが、2000人を超える方が大島で亡くなり、島内の納骨堂に遺骨が納められています。

入所者は29名(2025年)で、皆高齢だそうです。ハンセン病は全員完治しておりますので、現在は療養所となっています。

行き方

高松港の③番乗り場から、大島行の船が出ます。なんと無料ですので、船のチケットを買う必要はありません。

 

桟橋入り口はこんな感じ。

一番奥左側が大島行きの船乗り場です。

30分前ぐらいから並び始めますので、早めに並びましょう。大島では気軽に飲食物が買えない(カフェの営業が限られている)ので、必ず飲み物は持参しましょう。*ゴミは持ち帰りましょう。

「せいしょう」が到着しました。官有船なので、小さいけどしっかりとした造りです。所要時間は30分です。

船のどこに座るのがオススメか。

2階と1階に客室がありますが、ズバリ2階の左側の窓側がオススメです!

何故かといえば、左側に女木島と男木島が近くに見え、特に女木島は真横から見ると、正に女性の体の形に見えるのです。

1階でもいいんじゃないの?と思うことでしょう。しかし1階の客室は↓の写真のように、座ったら窓の位置が高すぎて、見える景色は空だけなのです。

2階の座席はかなり少ないので、景色が見たい方は、30分前に桟橋で並ぶことをオススメします!

アートを巡る所要時間はどれぐらい?

2時間~3時間です。

私は2時間の滞在でしたが、ほぼすべてのアート作品を見て回ることができました。

でも景色が素敵だし、もっとゆっくりしてカフェも行きたかったので、3時間みておけば良かったと思いました。

オススメのコースは?

1、こえび隊(瀬戸芸ボランティアさん)の大島案内ツアーに参加(所要30分)

2、島最北にあるリングワンデルングの道

3、リングワンデルングから戻ったところの近い長屋から順に回る。

4、最後に社会交流会館内にあるカフェシヨルにあるアート見学。

ざっと回って所要2時間。ゆっくりして3時間といったところです。

こえび隊の大島案内ツアー

初めての方は是非こえび隊(瀬戸芸ボランティアさん)の大島案内ツアーに参加してください。所要30分で島の歴史や納骨堂や宗教施設を回って、アートエリアまで案内してくれます。(無料)

★1日3回(会期中毎日実施)※予約不要

こんな景色を見ながら歩きだします。

納骨堂。

解剖台。2010年開催の瀬戸芸開催時に、西海岸で引き揚げられました。

入所者にとっては思い出したくないものですが、話し合って、展示することにしたそうです。当時入所するときに、解剖の承諾書への署名が求められたことがあったそう。

ここでこえび隊のツアーは終了となります。島最北にあるアート作品:リングワンデルングの道へ行くためには、入山届のため氏名等を記載し、番号札を受け取り、出発します。入り口はコチラ↓

ここから山道(獣道)になります。大人の足で15〜20分で1周できます。

途中所々に、隔離政策があった頃の入所者の悲痛な思いが書かれた看板や、不思議なアートがさりげなく茂みにあります。

アートはネタバレしないよう、写真は載せないので、どんなアートか探してみてください。

この山道は、かつて島外に行けない若い患者さんが作って、散歩していたそうです。そんな思いに馳せて歩いてみるのもいいかもしれません。

大島から一番近い香川県の庵治町の半島まで泳いだり、漁船の方に協力してもらって脱走する人もいたそう。

だから、入所者は船を所有することは許されなかったそう。

途中、山道から海が見えました。

下山したら、入山する際にもらった番号札を返してから、昔の入所者が住んでいた長屋を利用したアートが連なっているので、見ていきます。

元ハンセン病患者のための、写真を撮る補助具が展示してあるアートです。

ここで、偶然アーティストの方にお会いして、ハンセン病元患者の方についてお話を聞くことができました。

ハンセン病の元患者で、写真を撮っている方がいらっしゃいます。手や足の感覚がない方が多く、写真を撮る際には、片目で被写体を見て、もう一方の目でシャッターボタンを見ながら、残ってる指の根本で押しているそうです。

ハンセン病のらい菌は、体の末端の冷たいところ(手足)に広がりやすく、末梢神経をもなくなってしまいます。

そのため、目が見えずらい方が多く、手足の感覚もないため、唇や舌で点字を読んだり、靴下も唇で履いたりするそうです。そして、熱湯に手を入れても熱さを感じないため、やけどをしてしまう方もいらっしゃるそうです。

そんな不自由な生活をされていたとは知らず、ただただ驚きました。

アートは、ハンセン病の方がかつて住んでいた長屋を利用しています。↑この写真はアート会場になっていない元の状態です。一部屋に洗面所はそれぞれついています。

↑数秒に一回、人魚が涙を流します。よく見てくださいね。コロンとおはじきが落ちるしくみです。

↑便器のアート。(2022年アート)この長屋では、16歳から隔離されてきた入所者の苦しみを、アートでわかり安く展示しています。かつては、ハンセン病の入所者の数に対して職員の数が少なく、症状が軽い方が重い方の看病や世話をさせられ、生活に必要なことは全て自分たちでしなければならなかったそうです。便器の数も足りなかったため、自分たちで作ったそうです。

職員の方は防護服を着ていて、物を渡す際にはピンセットを使っていました。

また、元ハンセン病患者の方は、仮の名で生きてこられたそうです。子供をもうけることも許されませんでした。

人権がない、恐ろしい状況に胸が詰まります。

特に持っていくものは?

  1. 飲み物 ※食事は大島に行く前に、済ませておきましょう。
  2. 歩きやすい靴(リングワンデルングの山道を行く場合は、滑りやすく、足元が悪い)

感想

大島は山歩き、海の景色、ちょっとシュールなアート、くすっと笑えるアート、元ハンセン病患者の実態を知ることができるアートなど、いろんな体験、楽しみ方ができるところでした。

無料で船の乗れ、景色も素晴らしいところなので、お子様連れの方もオススメです。

アートは、動くしかけがあって、こどもも楽しめるものもあります。

是非多くの方に行ってもらいたいです。

以上、大島についてでした!





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