『直島』~地中美術館・ANDO MUSEUM・李禹煥美術館アートめぐりに知っておきたいこと/瀬戸内国際芸術祭2022

アートの島として世界的な有名で、日本人より外国人観光客の方が多い、直島。瀬戸内海にあり、岡山県宇野港か、香川県高松港から船で20分~50分行ったところにあります。

地中美術館に代表される、世界的有名なアーティスト×安藤忠雄の建築がコラボした美術館や、古民家を改装したアートが島内にいくつもあり、1日で全部回り切れないほど。全てベネッセが運営しているため、質が高いものばかりです。

それでは、効率よく見どころを抑えた回り方、交通手段、アートの紹介、ランチ処などをお伝えします。

直島への行き方

  1. 高松港(香川県)⇔直島(宮浦港←メインの港)/1日10往復
    ・高速船(所要:約30分)
    ・フェリー(所要:約50分)※高松港で往復を買えば50円引き
  2. 宇野港(岡山県)⇔直島(宮浦港)/1日20往復
    ・小型旅客線(所要:約15分)
    ・フェリー(所要:約20分)
  3. 宇野港(岡山県)⇔直島(本村港)/1日5往復
    ・小型旅客線(所要:約20分)

高松港から直島へ行く際には、右側の窓側に座ることがオススメ。女木島のすぐ脇を通って、直島に沿って港に到着するので、島の雰囲気や港にある有名な赤かぼちゃが見えて気分が上がります⇈。

人が多くて新型コロナウイルスの感染が気になる場合には、階段を登り、看板のベンチに座るのがオススメ。但し、風にずっと吹かれ続けるので、夏でも防寒対策(羽織もの)が必要です。

島内の交通手段は?

町営バス

主にアートが集まる集落は、2か所(本村エリア・美術館エリア)なので、オススメは町営バスです。1回100円で、宮浦港発着だと3回乗る(宮浦港→本村地区→美術館地区→宮浦港)だけなので、1日300円で済みます。

バスの時刻表↓ 船の到着に合わせて出発する時刻になっています。
直島町観光協会公式HP  http://www.naoshima.net/access/access_from/

注意事項夕方港へ戻る方面のバスは、混み合います。気候の良い季節や、瀬戸内国際芸術祭期間中は特に、乗り切れず歩くことになった人が続出します。早めに港へ戻るか、バス始発の美術館エリアから乗るようにしましょう。

レンタサイクル

バスの時刻に合わせる必要がなく、島の隅々まで風を感じて走るのは気持ちが良いです。島内はアップダウンがあるため、体力がまぁまぁある人以外は、電動自転車がオススメです。

<宮浦港>

  1. T.V.C直島レンタサイクル(8:30~18:00)
    電動自転車(YAMAHA)、ギア付き自転車あり。
    ※予約は公式ホームページから可。クレジットカード可。本村港にも支店あり。
    ※レンタル利用の方は、手荷物預かり無料。
    ※場所:宮浦港で下船後、100m直進してつきあたり左寄りのお店。
    ちなみに、私はこちらで電動・連れはギア付きをレンタルしました。お店がキレイで、前かごに地図が付いてるのが便利でした。
  2. おうぎやレンタサイクル(9:00~18:00)
    電動自転車、ギア付き自転車あり。
    ※場所:宮浦港で下船後、100m直進してつきあたり右寄りのお店。
    ※予約は公式ホームページから可。

予約が必要なアートがある

①「地中美術館」(美術館地区)、②「きんざ」(本村地区)の2つです。

ベネッセ公式HPから予約(購入)をしてください。
地中美術館」・「きんざ

※「地中美術館」は、時間指定して事前購入したチケットの変更・キャンセルはできませんが、予約時間を過ぎても30分後までは入館できます

※予約はできないけど、混雑状況によっては整理券を配布するアートもあります。南寺」(本村地区家プロジェクト)は、一度に入れる人数制限があるため、早めに行くことをオススメします。

本村エリアのアート

全部で所要時間は120分です。但し、急いで回れば15分~20分ぐらい短縮ができそう。(混み具合によりますが)

補足
古民家を使ったアートのため、どれも町並みに溶け込むようにするため、あえて、看板を出していません。地図をよく見て(ベネッセHP、または家プロジェクトのチケットに掲載されている)、↓外観写真を参考に探してください。

ANDO MUSEUM(安藤忠雄)

必見度★★★(3が最高) 開館:10:00~16:30

外観↓

門を入ったところ↓

建築家 安藤忠雄が古民家の中を取り壊し、設計建築した美術館です。中は剥離紙を使って丁寧につくったコンクリート(表面がつるつる!)がいくつかの層になっています。

ち密な計算によってコンクリートの角度(14度の傾斜の壁もあり)を変えているため、光の取り込み方が複雑で素敵です。

白~黒まで、グラデーションになっているでしょう!訪れる時間によっても、見え方が変わりそうですね。晴れている日に是非行ってください。

地下には、瞑想スペースがあります。ここにも仕掛けがしてあるのですが、地面が奥にいくほどさりげなく、低くしています。そのため、連れに奥に立ってもらったら、「あれ?この人こんなに背が低かったっけ?」という錯覚に陥って面白いです。

家プロジェクト

古民家や神社を改修して作ったアート6か所が共通チケットになっています。購入場所は、「本村ラウンジ&アーカイブ」です。建物外にトイレと自転車置き場があります。

全てのアートの開館:10:00~16:30 ※全て館内の写真撮影不可

南寺(ジェームズ・タレル/安藤忠雄(設計))

必見度★★★(3が最高)

一度に入れる人数制限があるため、整理券が配られる可能性があります。最初に向かいましょう。

外観↓ 黒くて大きいです。

中が本当に真っ暗で手で壁を伝って、中に入っていき、まずベンチ座ります。4分程すると、薄っすらと前方が白く見えてきます。更に3分程すると、白い長方形の白っぽい壁と、横壁に丸く光が見えてきます。

床には何も障害物がないので、勇気を出して突き当りまで行ってみてください。そして壁と思っていたところへ手を伸ばすと・・・・・。

えっ。壁がない。・・・壁はかまぼこ形になっていて、外へ突き出しているため、触れないのです。不思議体験をするアートでした。

護王神社(杉本博司)

必見度★★★(3が最高)

南寺からすぐの鳥居をくぐって、直島八幡神社へいく石段を途中巨木を見ながら登って行きます。

ちょっとアートな神社になっていて、本殿へはガラスの階段がかかっています。

必見なのが、地下にある石室です。神社の右側に降りると、石室の入口があります。

入って、右側に石室があるのですが、真っ暗なので、携帯のライトをつけて中を見てみると、本殿からガラスの階段が下がってきています。

そして石室を出る際の細い通路からは、外の世界がとーっても神秘的に見えるのです!(必見ポイントです)

海が見えるように、草木が除かれています。

光の陰影って、こんなにも神秘的なのかと思い、感動しました。

注意
6月中旬~秋まで蚊がいるので、虫よけ・ムヒを持参しましょう

角屋(宮島達男)

必見度★★☆

外観↓

水の中に、数字が1~9カウントしているデジタルカウンターが無数にあります。これは、島の人達の、それぞれのカウントのスピードを再現していて、自分のデジタルカウンターがどこにあるのか、証明書が発行されているのです。

すごく早いスピードでカウントしている人もいれば、すごく遅い人もいて、直島の人の個性が調和されていて、心温まる作品でした。

出口を出て、すぐ左の蔵の中には、古い掛け軸をリメイクしたものが飾ってあるので、そちらもお見逃しなく。

碁会所

必見度★☆☆

昔、囲碁をしていた場所をアートにしています。二つの小部屋の対比を楽しむアートです。椿や葉っぱは、木彫りで出来ています。

楽しむポイントは、2つの小部屋に両方入口に木の棒が置いてあるのですが、どちらかが本物の竹製で、もう一方は木彫りで出来ています。見分けてみてください。

はいしゃ(大竹伸朗)

必見度★☆☆

外観↓

元々歯科医院兼住居だった建物をアーティストが、大竹ワールドに変えたアートです。外側には、歯の絵のタイルが並べられ、偽歯(本物っぽい)がたくさん埋め込まれていて遊び心が満載です。

石橋(千住博)

必見度★★★(3つが最高)

外観↓

日本っぽい広い空間が、外国人に人気だそうです。長時間座る人もいるとか。

心がすーとするので、穏やかにゆっくり、座っていたい場所です。

きんざ

必見度★☆☆ ※時間が必要なため厳しめです。

ベネッセサイトでの事前予約制で、チケットは家プロジェクトとは別に購入する必要があります。

一人最大15分間入って、瞑想をするアートです。二人で行っても一人づつの予約になり、一人づつしか入れません。

中には少しアートな造形があり、最初は室内を見るので必死になりますが、一通り見終わったら、ゆっくり目を閉じて瞑想してみてください。

瞑想はストレスをなくすのに、有効とされています。いい機会なので、お時間がある方はどうぞ。

美術館エリア

美術館エリアの道路は私有地のため、車や自転車は入れません。ゲートで止められます。

そのため、エリア内は徒歩で移動するか、ベネッセのシャトルバス(無料)に乗って移動することになります。(自転車を押して歩くのもダメ)
ベネッセのシャトルバス時刻表は、公式サイト

町営バスで向かう場合には、終点のつつじ荘で降りて、ベネッセのシャトルバス(無料)に乗り換えるか、徒歩で行きます。

<徒歩の目安>

つつじ荘⇔ベネッセハウスミュージアム:徒歩15分

ベネッセハウスミュージアム⇔李禹煥美術館:徒歩10分

李禹煥美術館⇔地中美術館:徒歩10分

地中美術館

必見度★★★(3つが最高)
所要時間:1時間
開館:3/1~9/30 10:00~18:00(入館は17:00まで)
10/1~2/末 10:00~17:00(入館は16:00まで)

事前予約(購入)制ですので、行く前にベネッセサイトからチケットを購入してください。(予約時間30分後までは入場可)もし予約を忘れた場合でも、空きがあれば入館可能です。

直島で1番人気の美術館です。これを見に海外からも観光客が押し寄せます。

建築は安藤忠雄です。3つ作品がありますが、どれも素晴らしいの一言です。

ウォルター・デ・マリア

巨大な空間にあっと驚かされます。太陽の位置によって、金色のオブジェの輝く場所が変わります。時々、船の汽笛のような低音の楽器の音が鳴りますので、聞いてみてください。

西洋の神殿のような、光と空間と音を楽しむアートです。

ジェームズ・タレル(3作品)

南寺と同じアーティストです。オープンフィールドは、大きな空間と空間の色を楽しむアートです。しかけが面白いです。不思議な感覚になります。

オープンスカイというアートは、もしかしたら晴れた夕方が綺麗かも。

私はジェームズタレルさんのアートが好きだなぁ。

クロード・モネ

本物(!)のモネの睡蓮の大きな絵画が、4枚飾られています。音を消すため、スリッパに履き替え、かつ床が音が出ない構造になっています。

チケットセンターから地中美術館に入るまでの間に、モネが愛した睡蓮のお庭のような小道(道路より一本お庭側)がありますので、こちらも素敵です。

安藤忠雄

美術館全体の建築がアートです。地中(こんもりとした小山の中)に建築物を建てている、見事な建築です。建物の外観は小山であって、いわゆる建物の壁は外から見えません。

迷路のような順路を進み、地上からいつのまに地下に入っていて、自分がどの辺にいるのか分からなくなってしまう、不思議な構造です。

特に、ジグザグ坂道になっている回廊が素敵です。通行している人の横顔が隙間から見えるようになっていて、ユニークです。

李禹煥美術館

必見度★★☆(3つが最高)
所要時間:30分(トークツアーに参加する場合1時間)
開館:3/1~9/30 10:00~18:00(入館は17:30まで)
10/1~2/末 10:00~17:00(入館は16:30まで)

世界的に有名な、韓国の李禹煥リウファンの美術館(建築は安藤忠雄)です。

大きい石と鉄だけのアートで、一般人には分かりにくいと思いますので、是非、美術館スタッフと見学するトークツアー(無料)に参加してみてください。

私は参加してとっても良かったです。スタッフの方との対話型で、自分たちの想像をうまく引き出してくれます。他の参加者の解釈も聞けて、みんな少しづつ想うことが違うんだな~と面白かったです。

<トークツアー>
実施日時:毎週土日 14:30~
所要時間:約30分
料金:無料
予約:不要。チケットを買う際に申し出てください。

もし↑ツアーに時間が合わなければ、↓もあります。

<プライベートツアー>
所要時間:45分
料金:8名まで2,160円(別途鑑賞券が必要)
予約:1週間前までに、電話、FAX、ベネッセアートサイト直島HPからの予約制。

石は自然なもの、鉄は人工的なもの。その組み合わせと距離感、形を楽しむアートです。。。。といっても大体の人は意味が分からず「ん?」となると思いますが、想像をするということでしょうか。空・海・芝生・アートで。

ランチはどこがオススメ?

レンタサイクル屋さんや、家プロジェクトのガイドさんに聞いたオススメのお店を紹介します。外のテラスで食べられるお店もあるので、店内が混んでいても、コロナを気にせず、食べられますよ。

maimai(本村地区)

直島の特産品、ハマチをフライにして、ふわふわのバンズに挟んだバーガーのお店です。チーズをトッピングするのがオススメ。テラス席が気持ち良かったです。アート巡りは時間との闘いでもあるので、時間がないときにもオススメのお店です。

場所:町営バス「農協駅前」下車徒歩5分
営業 11:00~17:00 不定休
電話 090-8286-7039

APRON CAFE(本村地区)

管理栄養士のオーナーによる、季節の食材を使ったプレートランチが食べれるお店です。おしゃれな店内でアート好きな人も満足必死。

場所:町営バス「農協駅前」下車徒歩5分
営業時間 11:00~15:30 (月曜休、不定休)
電話 090-7540-0010

カフェサロン中奥(本村地区)

本村地区のはずれの高台にある古民家カフェです。イタリア産オーガニックトマトを使った自家製トマトソースを使ったふわふわオムライスが人気です。カウンターの窓からは本村の景色が望めます。

場所:町営バス「農協駅前」下車徒歩8分
営業時間 11:30~15:00、17:30~21:00 (火曜休、不定休)
電話 087-892-3887

食堂Doみやんだ(宮浦地区)

直島近海で獲れた魚と、旬な野菜を使った定食が食べられるお店。テラス席あり。

場所 宮浦港から徒歩3分
営業 11:30~14:00(LO13:30),17:30~20:00(LO19:30) (月曜休美術館休館日に準じる)
電話 087-813-4400

おやつにオススメなお店

おかしとコーヒー(本村地区)

The Naoshima Plan 「水」の奥出口すぐ目の前、テイクアウト専門の焼き菓子と飲み物のお店です。キャロットケーキ、バナナケーキ、アイスチャイ、アイスコーヒーを頼みましたが、全てレベルの高い美味しさでした。アート巡りの休憩に是非。ベンチ1つあり。

たこ焼きふうちゃん(宮浦地区)

宮浦港フェリー乗り場目の前のお店。あら塩で焚いたぷりぷりの直島で獲れたタコを使ったたこ焼きです。フェリーに乗る前にビールとともに是非調達してくださいね。

おすすめホテル

直島は、できるだけ滞在時間を多く取りたいので、ホテルに一泊することをオススメします。

安い宿~高級ホテルまでありますが、私が断然おすすめしたいのは、ベネッセハウスホテルです。料金はお高めですが、ホテル宿泊者特典(美術館一部無料、美術館閉館後にも入れる、無料送迎バス等、宿泊者のみのアートツアー等)が多数あり、ホテル自体がアートになっています。

つまり宿泊するメリットが沢山あるのです。詳しくは私が実際に宿泊したときの記事をご覧ください。

最後に

美術館それぞれ美術館員が案内してくれるツアーがあります。是非参加することをオススメします。参加するとしないとでは、満足度が全然違います。注目すべき点、エピソード、意味などを知ると、一見「何これ?!」というものも「へー、すごい!」へ変わります。

直島は、アメリカの「The New York Times」やイギリスの有力旅行雑誌で『行くべき観光地』として取り上げられており、日本人以上に海外の方に大人気の島です。

現代アートって自由な発想で、面白いし、「へー」と感嘆したり、「素敵!」と思ったり、海や空を借景にしているアートを見ていると、心が洗われます。

「疲れた-」、「ストレスMAX!」というときには、是非直島で癒されてください。

最後に私が参考にしたガイドブックたちです↓

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