3年に一度開催の瀬戸内国際芸術祭の会場の1つである、香川県の西の方にある、三豊市の離島、粟島のアート巡り(秋会期のみ開催)について、ご紹介します。
粟島は、日本最古の海員養成学校が残っていたり、NHKやいろんな雑誌に取り上げられている漂流郵便局があり、瀬戸芸のアート以外にも見どころがある島です。
香川県の西の方の島(粟島・高見島・伊吹島・本島)は、島の漁業などの繁忙期を避けて、秋会期(2019/9/28~11/4)のみの開催となっています。
高松港から行ける瀬戸芸の会場の島は、ベネッセなど島外の協力が大きいのですが、秋会期のみ開催の島々は、まだまだ島民・島自体が活き活きとしている気がします。
立派な瓦屋根の家が多く、プライドを持って住まれているように見えます。そして、島をあげて歓迎してくれており、島民とすれ違っても目が優しいので、こちらもうれしくなりました。
瀬戸芸開催期間は、粟島-高見島-本島を結ぶ船が運行されるので、比較的小さな島である、粟島→高見島の2島を1日に回るのがオススメです。
それでは、瀬戸芸アートだけじゃない、粟島の行き方、見どころ、巡り方、食事処の紹介などしていきたいと思います。
■目次
瀬戸内国際芸術祭の開催期間・時間(粟島)
期間:2022年9月29日(木)~11月6日(日)
鑑賞可能時間:10:00~16:30
休日:無休
粟島を巡る所要時間は?
主要な見どころを見て回って、ランチを食べて約3時間弱です。初めての方やゆっくりしたい方は、4時間ぐらいとっておくと良いと思います。
私は粟島→高見島へ2島回ったので、ランチを食べてから、高見島へ移動しました。
粟島への行き方
粟島までの船は、三豊市の詫間の須田港から出ています。9:10発に乗ると、瀬戸芸開始時間にちょうどよいので、その船に乗る前提で説明いたします。船乗り場までは、車か電車で行く方法があります。
船の時刻表はコチラ(瀬戸芸公式HP)
電車での行き方
高松駅より、予讃線で詫間駅まで所要約1時間です。観音寺行7:40発の各駅停車の普通電車に乗ります。(約1時間に1本しかないので、乗り遅れ注意!)ホームは、改札入って一番右側のホームが多いです。
ホームは、終着駅方式なので、ヨーロッパの駅みたく、改札から入ったら全ホームが見渡せるようになっていますよ。
高松駅=さぬきうどん駅となっています(笑)ちなみに、電車が発車する直前の音楽は、「瀬戸の花嫁」です。
詫間駅には、8:41(所要1時間1分)に到着します。1つ手前の海岸寺駅から詫間駅までの間には、一部海岸ぎりぎりを走るところがあり、まるで海の上を走ってるように見えるので、是非車窓を見てみてください。(進行方向右側)
詫間駅で降り、改札を出たら、右側に須田港行きの瀬戸芸の無料シャトルバスが停まっていますので、出来るだけ、前の方に座ってください。(船の定員が少ないため、早く降りれるようにするためです)改札出て、左側に泊まっているコミュニティバスも須田港に行きますが、100円かかるだけでなく、途中停車もするので、到着が遅くなります。
バスが停まったら、できるだけ早く降り、船乗り場(徒歩1分)で船のチケットを買って、並んでください。
車での行き方
高松から高速道路を利用し、1時間程かかります。高速道路の三豊鳥坂ICで降り、10分程で瀬戸芸用の駐車場に到着します。駐車場からは須田港まで瀬戸芸の無料シャトルバスがでています。駐車場には、船の出発時刻の30分前に到着することをオススメします。
駐車場の場所は、↓瀬戸大橋レンタリース(赤いポイント)の少し北右側です。大きな通り(231号線)には、近くなると、瀬戸芸の案内看板が出てきますので、そのとおりに進めば到着します。
須田港の船乗り場
自販機でチケットを買うのですが、海側の建物内にあるのが往復券、反対側の建物内(新しい小さな建物)にあるのが片道券の券売機になりますので、並ぶ際には要注意です。片道大人一人330円です。5千円札と1万円札は使えませんので、要注意です。↓写真は片道切符の自販機です。奥にトイレがあります。
切符を買ったら、長椅子の方へ移動し、並びます。船の定員は70名ですので、ここまでは急ぎましょう。高松港とは違い、座って待てるのが西の島のおもてなしです。
もし臨時便にも間に合わなかった場合には、海上タクシーもあります。(片道2000円~いせや☎0875-846-6753)
この日はすごい人だったため、9:10発には乗り切れなかったのですが、15分後に臨時便を出していただけました。(ホっ)
そっ、その船が予想を上回るワイルドな船でした( ;∀;)
ほぼ椅子がなく、4畳半ぐらいのスペースに、みんな立って乗ります(!)(家畜やバイク等を載せられそうな感じ)私は後ろの囲いがないスペースに立てたので、景色が素晴らしかったです。15分で到着するので、問題なしでした。
高松港から行ける直島や小豆島と違って、景色がぐるっと山に囲まれている感じで、一瞬異国にいるような錯覚にとらわれます。
島に到着したら
粟島到着。たくさんのボランティアや島の方が歓迎してくれ、嬉しいです。
港では最新情報がホワートボードに書いてありますので、メモ代わりに写真を撮っておくと良いです。船の臨時便情報も書かれています。
船を降りてすぐのところの、粟島案内所(9:00-16:30 ☎080-4993-0061)で手荷物預かりもしています。もし大きな荷物がある方は、預けることができます。なお、そこの入口で船のチケットを売っています。また、粟島のアートの詳しい地図も配ってくれるので、もらっておきましょう。
島から見る粟島港。小さな港です。
島内の移動手段は?
レンタサイクル(港から少し左へ歩いたところ※予約不可)もありますが、徒歩で充分回れます。不定期で数人乗れる無料のカートも運行していましたので、タイミングが合えば乗ってみるといいかもしれません。
粟島のアートの巡り方
まずは、港を背にして左へ進みましょう。
少し行くと右の路地に、レトロな武内商店が見えます。島唯一のコンビニ?でアイスやお土産を買うのに良さげです。(日曜日休み)
04番 粟島芸術家村(必見!)
島の奥側へ入って行くと、旧粟島中学校の中にあります。ここのアートが一番見ごたえがありました。
1、「生命のスープ」/大小島 真紀(2019年)
クジラのアートです。島の人の刺繍なども入っていて、クジラの柄の中に、伝えたいメッセージが入っているアートです。大きなクジラアートが6頭あります。
2、始まりの洞窟/マユール・ワイェダ(インド)(2019年)
インドの少数民族ワルリー族のアートです。ワルリー族は泥と藁でつくった家壁に米で壁画を描くそうです。洞窟に、古代伝承の民族画が超細かく描かれていて、見ごたえがありました。
洞窟に入ると、
クジラの骨アートとともに、壁には、
細かい!これはかなりの時間がかかったのではないでしょうか。
↑これは刺繍でできています。
アーティストのワルリー3兄弟。イケメンでした~。
06番 思考の輪郭/エステル・ストッカー(イタリア・オーストリア)
旧粟島中学校からさらに奥へ進むとあります。白いスリッパに履き替えて、中にはいります。立体的な作品なので、つまづき注意です。
漂流郵便局(必見!)
「06番思考の輪郭」から旧粟島中学校に戻り、通り過ぎて少し行ったところの左手にあります。ここは瀬戸芸のパスポートは使えないので、別途入場料が必要です。
ここはNHKやいろんな雑誌で紹介されていて、とても有名です。私はまたこの郵便局に行きたくて、粟島に来たと言っても過言ではありません。
通常の営業時間:第2、第4土曜日 13:00~16:00(不定休)
※瀬戸芸開催期間中は土日祝日は営業。10:00~16:30
どこにも届けることができないハガキが展示されていて、それを読むことができます。多くは亡くなった方への気持ちを綴っています。
登山へ行く前に交わした言葉が最後だったので、もう少し優しくすればよかったと書いていた方や、亡くなった方へ毎年暑中見舞いで近況を書いている方、中でも子どもを亡くした方や恋人を亡くした方の気持ちには胸が詰まります。
他には、片思いしている方や、大けがをしてしまって体が不自由になってしまい、好きな人に一緒にいて欲しいと言えない気持ち、離婚して会ってはいけない子への気持ちなど、伝えることができない気持ちを綴っています。
有名な中田郵便局長は、話しかけると喜んでお話してくださるので、人気者です。
今は3万通を超えたそうで、外国からも手紙が届いていました。台湾でも同じ趣旨の郵便局が出来たそうです。
私が行ったときには、東京からこの郵便局へ来るために、粟島へ来た方もいらっしゃっていましたよ。
宛先:〒769-1108 香川県三豊市詫間町粟島1317-2 漂流郵便局留め 〇〇〇〇(出したい相手の氏名・・書かなくてもok)様
粟島海洋記念館
1897年に開校した日本最古の海員養成学校を保存して公開しており、かつての船員たちの航海にかかわる資料なども展示されており、見ごたえがあります。
建物の中には、日比野克彦さんの作品、粟島に漂流してきたものを展示したアートも見ることができます。
たこつぼが多いのですが、中には、サメの牙や、鹿の角まであり、単純にみてて面白いです。
海に浮かんだ船の中にも、アート作品がありますので、そちらも是非。
粟島でのおすすめランチ
おすすめは、「あはろは食堂」です。
粟島海洋記念館から港と反対側へ少し行った、右手にあります。このブロックをたどっていくと、
新しいお店で、若い方が経営されており、おしゃれで綺麗でした。
テーブル席に加え、カウンター席も8席ぐらい?ありましたので、一人でも入りやすいです。テラス席もありますので、お天気の日には良さそう。12時ちょっと前に行ったら、ぎりぎり座れました。
瀬戸芸期間中は、先にレジで注文・お会計をして、番号をもらいます。お食事が出来たら、その番号で呼ばれます。
普段は定食があるようなのですが、瀬戸芸期間中ということもあり、行った日は、漬け丼とタコライスのみでした。
私は本物のタコがのった、タコライスにしました。
お味は美味しいかったです。ライスには味がついており、薄くも濃くもなく、タコはコリコリしており、自家製トマトソースが絶品でした。お腹が空いていたのもありますが、もう少し食べれた感じの量でした。お隣の方は漬け丼を頼まれていて、こちらもかなり美味しそうでしたよ。
トイレも綺麗でしたので、行っておくと良いです。
いかがでしたか?粟島は、瀬戸芸期間外に訪れても見ごたえがありますので、また行きたくなる島です。
猫もちょいちょい出くわします。
この後、高見島へ船で行きました。